初めての両親面会     2020.12.31

    この日、初めて夫と2人でNICUにいる息子に面会しました。

    この日は、息子の顔を見ながら2人で名前を決めようと思っていました。

    息子の保育器の前で、お互いに考えてきた名前の候補を発表していました。

    でもお互いが「これだ!」と思う名前はなく、なかなか決まりませんでした。。。

    感染症予防のため、面会時の厳しいルールがありました。

    • 面会は父か母で、週3日のみ(次回の面会日時を予定表に記入しておく)
    • 両親面会は週1日のみ(予約制)
    • 面会は1日2時間まで(医師と治療内容等の会話をする場合は除く)
    • 面会時は必ずマスク着用
    • 面会日の検温(37.5度以上は入室できない)必須
    • 体調不良時、家族の体調不良時は面会不可
    • 父母以外の家族は面会不可

    退院後は毎回入口で、問診票を記入してインターホンで看護師を呼び、入口まで来た看護師が再度検温と問診票の確認と回収をして問題がなければ入室可能でした。

    コロナウイルスが流行り始めた当初の頃は、週1日しか面会できなかったと聞いたのでそれは辛かっただろう…と思いました。

    息子の反応

    私たちの話し声に反応したのか、息子が初めて片目を開きました!!

    「初めて目を開けました!すごい!!パパとママの声がわかったんだね~!」と看護師たちが驚いていました。

    母乳綿棒を口にくわえながら、少し微笑んでいるように見えた息子はとても愛おしく感じました。

    看護師から「今は1回0.3㎖母乳を飲んでいて、母乳綿棒がとっても好きみたいです。元気にバタバタ動いて暴れているときもありますよ~!」と聞いて思わず笑ってしまいました。

    生後72時間を越え、まず一安心です。

    補足ですが、母乳はまだ30分の搾乳で1㎖がやっととれるくらいでした。そのためドナーミルクを使用しています。

    息子の主治医

    その日は初めての両親面会ということで、息子の主治医から息子の現状と治療内容についての説明を聞くことになりました。

    優しく丁寧な口調で、分かりやすくゆっくりと時々関西のイントネーションが混じりながら話すその先生に、私たち夫婦はとても好感を持ちました。

    先生は私たち夫婦にとって、今後『最も信頼できる存在』となります。

    大げさなようですが、息子の容態について何もわからず、毎日不安で過ごしている私たちにとって、主治医の先生の存在はとても大きく、先生の言葉は私たちの心にストレートに響きます。

    後に、先生の後任で息子の主治医となってくれた先生も同じく『とても大切な存在』です。

    本当に信頼できる先生方に出会えたこと、今でもこの出会いに感謝しています。

    息子を通して関わらせてもらった方たちは本当に親切で素敵な方ばかりでした。今息子が元気に過ごせているのは皆様のおかげです。感謝感謝です☆

    現状説明と治療内容

    先生はここ数日の経緯と治療内容、現状についてと、改めて母乳の重要性、搾乳、ドナーミルクについて説明してくれました。

    説明の後に必ず、「ここまででわからなかったことや他に何か心配なことはありませんか?」と聞いてくれるため、その場で不明点や疑問点を質問し、夫婦で理解できることができてとても有り難かったです。

    そして最後に、『動脈管開存症』についての説明がありました。

    動脈管開存症について 

    早産や低出生体重児など、生まれた時の状態によって動脈管が閉じにくくなり、自然に閉じない状態を動脈管開存症といいます。

    動脈管とは赤ちゃんがお母さんのおなかにいるときに、肺動脈から大動脈への抜け道になっている胎児には必要な血管です。

    赤ちゃんが生まれてから肺で呼吸をし始めるとこの抜け道は必要がなくなるため、通常は出生後自然に閉じていきます。

    動脈管開存症では全身に流れるべき血液の一部が大動脈から肺動脈に流れるため肺や心臓に負担がかかります。

    動脈管が非常に細いと症状は出ませんが太いと流れる血液の量が多くなり肺や心臓に大きな負担をかけることになります。進行すると心不全症状がみられるため治療が必要になります。

    治療

    動脈管が閉じるのを促すため、プロスタグランジン合成阻害薬(インドメタシンなど)を投与します。この薬で治療効果がない時や副作用を考えて投与しないほうが良いと判断した時は、手術により動脈管を閉じる方法を選択する場合があります。

    ※以上、説明は主治医の説明書から、図は宮城県立こども病院のHPより引用させていただきました。

    現在も継続してこの治療をしているそうですが、今のところ動脈管は閉じていないためしばらく慎重に様子を見ていくとのことでした。

    生まれたばかりの小さな赤ちゃんに手術をすることは大きなリスクとなるため、先生も非常に心配している様子でした。

    一難去ってまた一難、、、

    面会時間も終了し、「とにかく閉じるのを待つしかないね…」と夫と話して、私は病室へと向かいました。

    毎年家族でワイワイ賑やかに過ごしている年末年始ですが、この年は一人ぼっちの年越しになりました。